足立のツマモノ 知られざる足立区農業の魅力![東京農サロン・ ネオ開催レポート]
奇数月に開催している東京農サロン・ネオ。今回は3月19日に開催され、”足立区のツマモノ・あだち菜 知られざる足立区農業の実力とは?”をテーマに、豊洲市場でワケギの周年出荷や、時期によってはツマモノを出荷し、他にも季節野菜を庭先販売している横山辰也さんと、足立区の学校給食に小松菜を提供している宇佐美大さんにお話を伺い、まだ知らない足立区農業の魅力を深掘りしていきました。
足立区は23区内で練馬区、世田谷区に次いで農家総数、農地面積共に3位であり、和食料亭には欠かせない「足立のツマモノ」や歴史的背景から「あだち菜」と呼ばれている足立区産の小松菜が有名となっています。
横山さんも小松菜をメインとして栽培し、そのほかに枝豆、トマト、ツマモノとして使われているムラメ、細ネギなど多くの種類の野菜を栽培しています。
ツマモノとはお刺身についている大根など、料理を引き立たせるものとして使われております。
横山さんは、収穫した野菜を近所の方と協力で運搬することによって、費用の削減を行っているそうです。
また宣伝活動は、SNSを中心に行っており、その中でも「FB足立区いいね!!」というFacebookコミュニティやYouTube撮影など、消費者に近づいた形で行っています。
宇佐美さんは収穫割合のほとんどを小松菜が占めており、1日200キロ、月4トンの収穫量があり、足立区内でナンバーワンの数字となっています。
およそ15年前、宇佐美さんのお父さんが収穫した小松菜を大田市場に納品していましたが、市場で設定される値段にあまり納得がいかず悩んでいたそうです。
しかしその当時、地元の小学校の社会科見学に同行していた栄養士の方が地元で採れる小松菜に魅力を感じ、ぜひ学校給食に使わせて欲しいと熱烈なオファーが来たことをきっかけに、現在では収穫した小松菜の9割を学校給食に届けているそうです。
元々は出荷も宇佐美さん自身が行っていましたが、現在は業者の方に依頼をしてその結果、時間の削減や、立地の悪い小学校へも届けることが可能になったそうです。
農業関係者の中で、足立区で収穫される小松菜は「あだち菜」と呼ぶことが主流ですが、足立区内の農家さんはほとんどその呼び方をせず、シンプルに小松菜と呼んでいるそうで、私の中ではそのギャップが面白かったです。
今回も新たな農業の形を話していただき、非常に勉強になりました。
エマリコくにたちインターン生 秋草楠