東京農村ブログ

調布市・農業公園がスタート 深大寺エリアが「農ある暮らし」モデルになる!?【東京農サロンNEO】

今回の農サロンは、「調布市・農業公園がスタート 深大寺エリアが「農ある暮らし」モデルになる!?」というテーマのもと、農業公園を開設したばかりの調布市にフォーカスを当てて、調布市の農業公園を担当する職員である松元さんと調布市で新規就農した相田さんのお二人にお話をお聞きしました。
 
そもそも農業公園とは、相続が発生した土地を自治体が買い取る形で整備された、市民に開かれた農的空間のことです。

まずは相田さんから行っている取り組みについて紹介したいと思います。

調布市認定新規就農者 相田直人さん
今年就農されたばかりの新規就農1年目。
大学卒業後に立川市の中里農園等での研修を経て、2024年に調布市にて新規就農。
現在は「野菜を売らない農家」として、農業体験を時期とした事業を行っているそうです。

相田さんの取り組み
「都市の農地を残したい!」という思いで新規就農をされた相田さん。
都市の農地を残すためには「都市に農地が必要だと実感する人・原体験を持つ人を増やす」ことが大事だと考え、農業体験を軸に事業を行っているのだそうです。
 
そのために、今年度行った取り組みは主に下の3つ
①エンタメとしての農…親子田んぼ体験・コミュニティガーデンづくり
 
②教育としての農…小学校での農業授業の実施
今年度は4校で授業を実施。
授業を行うために東京都内全ての私立小学校に連絡したのだそう…!
これには会場からも驚きの声が上がっていました!
 
③調布市と連携した取り組み…調布市が所有する水田の管理
この場所を用いて、小学生や市民を対象としたイベントを実施しているとのことです。
 
このように、相田さんとしては地元農家や地域住民、若い世代をつなげる役割を担うことで農家・街として新たなモデルを作っていくことを目標にしているとのことでした!
 
続いて松元さんのご紹介です。

調布市役所 環境部 緑と公園課 松元俊介さん
2024年から農業公園の担当になられたとのこと。
現在は、地域住民や地元の農家さん等と協力しながら農業公園が、交流が生まれる場・緑に触れられる場・農業を体験できる場になることを目指されているそうです。
 
 
調布市における農業公園の取り組み
この農業公園を開設する方針になった経緯は、調布市では、元々都市農地を多く有していたこともあり都市計画マスタープラン内の将来都市像として「住み続けたい 緑につつまれるまち」を掲げていたこのことでした。
そして、平成28年の法改正により、都市農地が「宅地化すべきもの」から「都市にあるべきもの」に転換された際に調布市としても農業公園を開設しようという方針になったとのことです。
 
今後、深大寺・佐須エリアに開設された農業公園では。農業を体験する場所としてだけでなく、人との交流が保てる場所となることも目標にしているとのこと。
実際に開催されたイベントも、農園スタディツアーや料理体験といった農業や食について学ぶだけでなく、来園者同士・来園者と地域との交流を生み出すようなイベントも多く開催しているようでした!
 


今回のまとめとして、「都市農地を守る」「農や緑に触れる機会を増やす」「地域の交流を生み出す」といった役割を担う農業公園の土地利用には、大きな可能性を感じました。日本全体が人口減少の課題に直面する中で、単なる宅地化にとどまらない土地の活用方法として、調布市の農業公園のモデルは、都市と農業が共存する未来を考えるヒントがたくさん詰まった取り組みと言えるのではないかと思います。
記録:植田 莉乃(エマリコくにたちインターン)