東京農村ブログ

あきる野市の多彩な特産品、そして農業の組織づくり【東京農サロン・ネオ開催レポート】

今回の農サロンは『あきる野市の農業の特徴を知ろう!』と題しまして、東京あきる野市の農業者を代表して、秋川地区・笹本善之さんと五日市地区・栗原剛さんにお越しいただきました。あきる野市の農業の特徴やお二人の営農について伺っていきたいと思います。

あきる野市の人口はおよそ8万人。都心から40~50km圏内に位置し、東京サマーランドが観光名所の山の多い地域です。農業者の高齢化が進んでいるそうです。

特産品は旧五日市地区ののらぼう菜と旧秋川地区のスイートコーン。のらぼう菜は江戸時代初期に「じゃばな」という種が地域の農民に配布され、栽培されたのが始まりとされています。あきる野市では、アブラナ科の特徴として交配しやすいのらぼう菜を、品質の良いものだけを隔離して栽培することで地域の特産品として根付かせました。スイートコーンは地域的に酪農が盛んだった歴史が背景にあり、現在ではスイートコーン部会が組織され、地元の直売所では当日の朝採りしたものだけを販売しています。

地域農業者の高齢化が進んでいる中、五日市地区には山の多い地形を活かし、ヤギの放牧で新規就農した養沢ヤギ牧場・堀周さんという方がいます。今回、堀さんのヤギチーズを差し入れでいただき、会場のご参加者で試食しました!

続いて五日市地区・栗原さん、秋川地区・笹本さんにご自身の営農について伺いました。栗原さんは五日市地区で野菜を多品目栽培しています。お父さんが五日市地区で農業を営み、栗原さんは公務員として働いましたが、お父さんのご病気をきっかけに、地元に戻りました。最初はお父さんの農業を手伝うつもりでしたが、そのままお父さんの体調は悪化し会えない人に…師を失い、一から独学で農業を学び現在に至るそうです。

笹本さんは秋川地区で野菜を中量中品目栽培し、農業体験も行っています。農業体験では生産者として農業という仕事の体験を提供することで、他との差別化をしています。そんな体験事業の経験を活かして、現在新しい事業を立ち上げ中だとか。

地域の農業やお二人の営農について伺う中で、司会の小野さんからの質問も加わり、「農業の人手不足は根本的に人を雇うための資金不足が背景にあるのではないか」「都内夫婦で新規就農はまず食べていけない…!」といった農業の現状の課題についても話が盛り上がりました。

その後の質問タイムでは営農に関する質問が多く挙がりました。中でも印象的だったのは、従業員を雇った場合の組織作りについて。どのように作業の標準化を行っているのか質問がありました。それについて笹本さんからは「農業は技術が必要なところは多くは無いのでは…監督する人が作業の要所を把握できていれば、作業は反復。作業の分解と監督できる人が重要」だというご返答がありました。自然を相手にしているため感覚になりがちですが、従業員には言語化し伝えていくことが必要ですね。

今回はあきる野市の地域農業から、農業界全体の担い手不足や経営について話が広がり、何かと考えさせられる会となりました!

記録:菱山優佳里(エマリコくにたちインターン)