東京農村ブログ

さまざまなことに挑戦! 知られざる武蔵村山農業のこれから[東京農サロン ネオ開催レポート]

奇数月に開催している東京農サロン・ネオ。今回は5月18日に開催され、今回は「武蔵村山市、多摩開墾56ヘクタール! 市街化調整区域農業のこれから」というテーマのもと、武蔵村山市で小松菜の周年栽培を中心に年間50品目以上を栽培している荒幡 善政さんと、武蔵村山市農業委員であり、援農ボランティアやNPOによる子どもカフェ事業をとおして市内の農業と地域をつなぐ活動に取り組んでいる安彦 祥子さんに登壇していただき、武蔵村山市の知られざる魅力について深掘りしてきました!


東京都の多摩地域北部に位置しており、狭山丘陵を挟んで埼玉県と接している武蔵村山市。東京都で唯一鉄道が通っていない市だそうです。


多摩開墾ってなに?


多摩開墾とは武蔵村山市南西部に位置している、1900年初期に開墾された、袋小路状の広大な敷地です。

多摩開墾内は基本的に利用者しか入らないため、荒幡さんは多摩開墾内に入ってくる車が利用者の車なのか、それとも一般の車が迷い込んでしまったのか区別ができるようになったそうです。

多摩開墾内は土地の所有者さん一人一人の努力により、素敵な景観が保たれているそうです。とても素敵な場所だと荒幡さんは自信を持って仰っていたので、機会がある方はぜひ足を運んでみてください!



安彦さんは10年ほど前に武蔵村山市に引っ越し、安彦さんの姉が立ち上げたコミュニティの地産地消イベントが農業と深く関わるきっかけになったそうです。

その後、荒幡さんのもとであらはたやさい学校のスタッフとして働くことになり、現在では、農業生産力の発展及び農業経営の合理化を図り、農業者の地位向上に寄与することを目的とする武蔵村山農業委員会に所属しています。


荒幡さんは学生時代、親が畜産業を営んでいたことから、畜産学校に入学したものの、突然父親から、畜産業を辞めると言われ、卒業後に有機省農薬栽培の勉強を始めたそうです。


生徒が野菜のあらはたやさい学校


あらはたやさい学校は、種まきを入学、出荷納品は卒業、移植はクラス替えなど、野菜の成長を学校生活と照らし合わせ、「働いている私たち、そして集う人たちが、野菜を通していろいろなことを学んでいけたら」という荒幡さんの願いが込められた農園の名前となっていて、実際の学校ではありません。

 

あらはたやさい学校では現在、小松菜の周年栽培をメインに約50品目以上の野菜が育てられており、これからもさまざまな野菜に挑戦していきたいと話しておられました。

また、有機の小松菜の周年栽培は、野菜の病気や害虫の観点から非常に難しいと言われています。しかし荒幡さんは、ビニールハウスのビニールに工夫を施し、太陽光と湿気を使って害虫を増やさない栽培方法を行い、農薬を使わなくても小松菜の周年栽培を可能にしています。

また、「むれやまだし肥」という肥料を作っており、地元のうどん屋さんから出るダシガラと、ビールの麦芽かすを主成分としています。

荒幡さんはこれからもいろいろなことにチャレンジをしていきたいと力強く話していました。


今回も私の知らない東京の農業の世界を知ることができました。

私も多摩開墾に足を運んでみたいと思います!