東京農村ブログ

個性あふれる街・三鷹で生まれる果物【東京農サロン・ネオ開催レポート】

2021年11月17日、「三鷹・農が躍動する街と果樹栽培」をテーマに、「東京農サロンNeo!第2弾」が開催されました。
今回は、植木生産を行い、JA東京むさし三鷹地区青壮年部の部長も務める小林孝正さんと、キウイやブドウの果樹栽培を行う島田穂隆さんにお越しいただきました。お二人が農業を営まれている三鷹市は、若手農家を中心に、地域の方との交流も活発で、都市農業を先駆けた様々な取り組みが行われています。個性あふれる三鷹農家の魅力に迫ることができました!

地域に根差す三鷹の農業
三鷹の農業の始まりは270年前、江戸の大火によって移り住んだ人々の新田開発がきっかけだと言われており、当時は主穀類の栽培が中心でした。現在は、特産品のキウイやカリフラワー、ブロッコリーをはじめとする様々な種類の野菜や果樹の栽培が盛んに行われています。
三鷹の農業の特徴として挙げられるのが、地域住民との距離の近さです。住宅街に囲まれた農地が多く、消費者がすぐそばにいるため、三鷹農家の大半が、お客さんと直接コミュニケーションのとれる直売型の販売を行ってます。また、三鷹市の青壮年部では、地域へのPR活動に力を入れており、三鷹に住む子どもたちの絵をカレンダーにした「食育カレンダー」の取り組みなど、地域住民と農家がつながる様々な活動が積極的に行われています。


おいしく稼ぐ、果樹栽培の秘密
島田果樹園が栽培しているキウイとブドウは、島田さんのお父さんの代から始められたとのこと。現在は、主に島田穂隆さんと弟さんの2人でシャインマスカットや、ヘイワード(グリーンキウイ)、東京ゴールド(ゴールドキウイ)、紅妃(レッドキウイ)などを生産されています。
農業と聞くと、儲かるイメージが湧かない……。そんな方も多いのではないでしょうか。
「職業として成立する農業」を目指す島田さんから、儲けに関するお話も包み隠さず教えていただきました。シャインマスカットは1aにつき1本の木を植えることで、約250ふさの実を収穫することができます。そのうえ、かかるコストはほとんどブドウにかぶせる袋と農薬代のみ。実際に会場で計算された売上金額予想を聞いた参加者からは驚きの声が上がりました。
また、お話の中で興味深かったのが、キウイの栽培過程です。島田果樹園さんではメスの木しかないため、人工的に授粉を行っていたり、遅霜が発生する3月には火を焚いて対策していたり、初めて知ることばかりでキウイ栽培の奥深さを感じることができました。
儲かる仕組みの裏には、高品質のものを提供するための様々な工夫と、丁寧なコミュニケーションで築きあげたお客様からの信頼があるのだと感じました。「果樹は結構儲かるから皆さんもぜひ!」と話す、島田さんの飾らない面白いキャラクターもまた、お客さんを引きつける理由なのかもしれません。



個性あふれる三鷹の農業のお話を聞き、その親しみやすさと新たなことに挑戦し続けるエネルギーが、都市農業の最先端を行く三鷹農家の秘密だと感じました!

Written by エマリコくにたちインターンK(国際基督教大学3年)