2021年10月20日、東京農サロン・ゼミの第1回が行われました。
第1回は、三鷹で植木生産を行う、天神山須藤園の須藤金一さんにお越しいただきました。
東京農サロン・ゼミは、「まだ見ぬ東京農業の話を聞こう」をテーマに、ちょっとマニアックだけど重要な東京農業にまつわるテーマを扱っていきます。
率直なところ、東京の植木農業について詳しい人は少ないと思います。しかし、東京の農業で、植木生産が重要な一部分であることも確かです。今回は、6次産業化にも取り組み、JA都青壮年部連合会の会長も務められた須藤さんに話を聞きました。
天神山須藤園はWEBサイトも素晴らしく、動画もありますのでそちらもぜひチェックしてみてください。(ロゴマークも素敵ですよね。オンラインショップも併設。)https://sudoen.jp/
植木生産は賭けの部分もある
須藤家は代々続く農家ですが、1960年代から植木の生産を始めたとのこと。
当時は、高度経済成長期で、新しい建物や施設がどんどん作られる時代。施設ができればまわりの植栽も必要、ということで、収益性も高く、また多くの農家が植木に参入したそうです。
今は、需要が減少して、植木農家も大きく減少しているということです。
なお、植木業といっても種類があり、須藤さんは植木の仲卸に販売する「植木生産」のジャンルになるということです。須藤さんの植木の畑は、見た目がスッキリときれいに整っています。「業者さんへのショールーム代わりなので」とのこと。
庭や造園用の樹木には、かなりの種類があります。須藤さんのところだけでも30種類ほど植えているそうです。
ところが、大きな課題は、どの樹木が流行になるか予測が難しいということです。それも、育つには何年もかかりますから、何年も先の需要を見通す必要があります。須藤さん曰く、「賭けの部分があります」とのことでした。
それでも植木を生産するのは、「植木は人間より長生きで、ずっと自分の子孫の代まで続いていくから」とやりがいを語っていただきました。
新しい試み
そうした需要が読めない部分を補うう意味もあり、柑橘類のジャムやマーマレードを作ったり、さらにはオリーブオイルの生産にもチャレンジすることにしたとのこと。搾油の機械もイタリアから輸入済み。
東京産のオリーブオイルが登場する日も近いようです。楽しみですね。
ちなみに、JA東京むさしが運営する「三鷹緑化センター」は、青果の直売所も中にありますが、なんといっても都内最大級の植木売り場が自慢の直売所です。かなり遠方からも買いに来る方がいるそうです。
三鷹緑化センターには鉢植えだけではなく、畑区画もあって、それぞれ農家さんが自慢の植木を植えてあります。市民はそこから好きな植木を選ぶことができます。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
※三鷹緑化センターご案内